言葉はエネルギー
書き手の想いを運ぶ本、そして残された手紙など
書物には言葉が運ぶエネルギーが満ちています。
みん天の基地からみつかる古い書物からは、書き手のパワーが伝わってきます。
生活の痕跡
古民家には昔の人たちの生活の痕跡があちこちに残っています。
最後まで住んでいたおばあちゃんがとっても丁寧な人だったようで、いろいろな物が大切に保存されています。
なので、何でもウッカリ捨てる事ができません。
時々、とても貴重なものがあるので、紙袋やビニール袋にくるまれたものや箱の中まで、ちゃんと中身を確認してから捨てています。
小さな封筒の中に、何枚もの紙に包まれていたものを取り出してみると、クリップだったり、丁寧に梱包されている段ボールを解体してみると「電気がつきません 見てね」と謎の指示がかいてある紙切れだったりして、まるで宝探しゲームのようです。
箱の中身は…
昭和時代にみた懐かしいものが、この家には沢山あります。
土間にあるボロボロの食器棚は、私が小学生の頃に祖母の家にあったものと似ています。
扉が網で出来ていて、風通しがよい作りです。祖母は調味料を入れていました。
とりあえず食器棚の中のものを出します。
すると、例のごとく、何かを入れた箱が残されていました。
開けてみると、昭和25年に行われた結婚式の式次第でした。
献立やお皿の並べ方も描いてあり、きっと大勢の人がこれを見ながら準備したのでしょう。
配膳人の心得という分厚い書き物もありました。
赤いペンで読み仮名がふられていたので、私にも読めます。
配膳人は髪を整え、衣服も清潔にすること。
手は横にまっすぐさげておくこと。
お客様を凝視するのは失礼であるけれど、注意深く見渡して、何か必要があれば、すぐさまお客様のもとに行くこと。
こんな風に、事細かく心得がしたためてあります。
結構分厚い書き物ですが、最初に、“その八十五”とあったので、きっと、この他にもあったのでしょうね。
お客様に最高のもてなしをするために、厳しい指導があったことが解ります。
写真を見ると解ると思いますが、とっても読みにくいです。
でも読みたい気持ちの方が先に立ちます。
当時の人たちのしきたりや、考え方、やさしさと厳しさがガンガン伝わってくるのです。
読みながら感じるのは「あぁ、日本人で良かった。」という気持ち。
ご先祖様あっての自分。
本や手紙などに残された言葉からは時空を超えたエネルギーを感じます。
皆さんも一度遊びに来てください。明治時代のもの、大正時代のもの、いろいろ残っています。
約100年前の人たちの生活の痕跡を見つけると、とても嬉しくなりますよ。
そして、“自分は唯一無二絶対の存在である”と感じてもらえるような場所にしようと整備を急いでいます。