【後編】宮古島の事例が示す農薬問題〜日本の食と農業の未来を考える

宮古島で何が始まったのか
前編では、宮古島で発達障害児が8年間で44倍に増加したという衝撃的な事実をお伝えしました。
その転換点となった2014年。それまでゼロだった学習障害児が、この年から突然6名になったのです。
そしてそれを遡る事数年、宮古島では2010年代からサトウキビ畑などで、ネオニコチノイド系農薬が使われ始めていたのです。
ネオニコチノイド系農薬という仮説
発達障害の原因については様々な研究がありますが、ネオニコチノイド系農薬が関与しているという説が注目されています。
時系列を見ると:
- 2010年代からネオニコチノイド系農薬の使用開始
- 数年のタイムラグを経て発達障害児数が顕著に増加
この相関関係は、決して偶然とは言い切れません。
ネオニコチノイド系農薬やグリホサート系農薬は、血液脳関門を突破して脳に異常をもたらすことが指摘されています。特にグリホサート系農薬は、がんの原因となることが裁判でも認められています。
そして世界中で売れなくなったグリホサート系農薬は日本がその処分場になっていると私は見ています。
世界は「グリーン農業」へ転換している
実は、欧米では状況が大きく変わっています。
アメリカやEUの多くの国では、ネオニコチノイド系農薬やグリホサート系農薬の使用が既に禁止されているのです。
ヨーロッパの転換
- 2013年頃:多くの昆虫が絶滅→ネオニコチノイド系殺虫剤を禁止する国が増加
- 2018年頃:がん患者がグリホサート系農薬の製造会社を相手に訴訟→軒並み勝訴
- 2021年:ヨーロッパ各国が農薬中心の農業から環境に安全な農業へシフト
ヨーロッパはまず昆虫の大規模絶滅がきっかけとなったようです。
この地球上で大規模な絶滅が5回あったと言われていますが、そのどの時期であっても、昆虫は絶滅していないのです。
昆虫が絶滅するのは極めて異常。この異常事態に国が動き始めたのです。
そして今では農薬の過剰使用が土壌をむしばみ、やがて農作物がとれなくなることもわかってきました。
中国でさえオーガニックへ
かつて「中国の野菜は危ない」と言われていました。しかし今、中国もオーガニック農法など環境と人に優しい農業へ転換しています。
皮肉なことに、農薬を使った野菜は日本への輸出用だそうです。
食料安全保障という視点
国際的に有名なオーガニック農法の専門家が中国で耳にした話は衝撃的でした。
「日本には農薬を使わせておけばよい。日本は食料の殆どを輸入に頼っているので、やがて農作物が取れなくなったときに、食料の輸出を止めれば良いだけだ。武器を使わず占領ができる」
この話の真偽は定かではありません。しかし、国家安全保障上、食料自給は極めて重要な問題であることは間違いありません。
発達障害は本当に「生まれつき」なのか
私たちは「発達障害は生まれつき脳の機能が異なる」と説明されてきました。
しかし、宮古島の事例は別の可能性を示唆しています。
宮古島はきっと氷山の一角です。日本中でネオニコチノイド系殺虫剤やグリホサートが土壌にばら撒かれている今、どこも危険な状況にあります。
全国的に発達障害が増えているのは、残留農薬が一因ではないか──そう考えざるを得ないのです。
私たちにできること
この問題は、決して他人事ではありません。
- 食材を選ぶとき、できるだけオーガニックや減農薬のものを選ぶ
- 地域の農業政策に関心を持つ
- 正しい情報を共有し、意識を高める
一人ひとりの小さな選択が、やがて大きな変化を生み出すはずです。
子どもたちの未来のために、今、私たちができることを始めませんか?
人は皆、天才性を秘めて生まれてきます。
それが発揮できないのは、きっと何かがおかしいのです。
この記事は、みん天のお話会などで共有された情報をもとに構成されています。引き続き、この問題について考え、発信していきます。