日本の英語教育の闇ー学校教育の落とし穴と突破口

日本人が英語を話せない理由とその解決策
日本では、英語で円滑にコミュニケーションが取れる人の割合がわずか1割にも満たないという調査結果があります。
中学・高校・大学と10年以上英語を学んでも、実際に話せる人はごく少数です。
全国に英会話スクールが存在し、熱心な指導者が多くいるにもかかわらず、このような状況が続いています。
では、なぜ日本人の英語力はここまで低迷しているのでしょうか。
日本の英語教育の問題点
28年間の英語指導経験を通じて、私は日本の英語教育の根本的な問題が「学校」、正確には「教育カリキュラム」にあると考えています。
その中でも、特に大きな障害となっている点を挙げてみます。
問題点① ローマ字と英語学習の同時進行
日本の小学校では、3年生頃に国語の授業でローマ字を学びます。
そして、ほぼ同時期に英語の授業(英語活動)が始まります。
このため、子どもたちはローマ字と英語のスペリングを混同し、混乱を引き起こします。
例えば、中学生になると“pig”を“pigu”と書いてしまうといったミスが頻発します。
問題点② 文法中心のテストシステム
中学校に入ると、文法ベースのテストが導入されます。英語学習の初期段階では、表現として覚えたものをそのまま書けば正解できます。
しかし、次第に「文法的に考えなければならない」 という状況に変わっていきます。
この段階で子ども自身が文法のルールに従って解答するという考え方にシフトできないと、英語学習についていけなくなり、 多くの生徒が挫折してしまう のです。
問題点③ 国語文法と英語文法の干渉
中学2年生から国語の文法教育が本格的に始まります。
ここでさらなる混乱が生じます。例えば、英語では“名詞”と呼ばれるものが国語では“体言”、動詞は“用言”とされ、述語の概念も異なります。
- 英語:go – went – gone
- 国語:「行かない/行こう」「行きます」「行く」「行くとき」「行けば」「行け」
これらを同時期に学習させることで、言語の構造そのものに対する理解を混乱させてしまいます。
さらに、中学で学ぶ国語文法は現代の日本語よりも古文寄りであり、これも学習の障害となっています。
問題点④ 文法用語の使用制限
自治体によって異なりますが、中学校の英語教育では「文法用語をできるだけ使わずに指導する」という方針が取られることがあります。
しかし、高校に進学すると突然、文法用語を多用する授業に変わり、ここで再び多くの生徒が挫折します。
日本の英語教育には、これらのような「学習者を挫折させるトラップ」が数多く仕掛けられています。
その結果、英語を使いこなせるのはわずか1割にとどまるのです。
解決策:言語は思考ではなく感覚で身につける
言語習得には、そもそも高度な思考力が必要なのでしょうか?
子どもが母国語を習得する過程を考えてみてください。彼らは文法をたよりに言葉を覚えるのではなく、経験を通じて感覚的に身につけています。
実際のエピソード:小学生の英語習得
私自身、小学校でALT(外国語指導助手)を10年間務めました。週に一度、各クラスで授業を行う中で、ある男の子の成長が印象的でした。
その子は小学校1年生のときから、週に1回の私の授業だけで英語に触れていました。
6年生になったある日、突然「今、先生が何を言ったのか分かった!」と興奮気味に叫びました。
それまでオールイングリッシュの授業が理解できなかったのに、ある瞬間から私の言葉が自然に聞き取れるようになったのです。
この現象は他の子どもたちにも見られました。
幼少期から英語の授業を受けてきた子どもは、小学校高学年になると、英語の意味を感覚的に理解できるようになります。
しかし、「この単語の意味は?」と問うと答えられないこともあります。単語単体では分からなくても、文脈全体で意味を把握する能力が育っているのです。
これこそが、人間が言葉を習得する本来の姿です。
英語習得のために必要なこと
この話を聞いて、あなたも納得してくださるかもしれません。
何年も文法を学び、単語を暗記するよりも、留学した方が英語を習得しやすいのは、言葉が「思考の産物」ではなく「感覚の賜物」だからです。
人間の脳は、私たちが考えるよりもはるかに高度な処理能力を持っています。
表面的な知識を詰め込んでも、感覚として落とし込まれなければ実用にはなりません。
AIが可能にする新しい英語学習
そこで、私は Hyper English Master というAI英語学習チャットボットを開発しました。
このAIは、24時間365日、あなたが好きなときに好きな話題で会話できる「AI先生」です。野球少年が毎日素振りをし、ピアノを習う子が毎日演奏するように、英語を自然と身につける環境を提供します。
言語習得において最も大切なのは「楽しむこと」です。
あなたの脳は、あなたが思っている以上に優秀です。
AI先生との対話を楽しみながら、英語を感覚として身につけてください。
教育者の皆さん使ってくださいね!